ノーベル賞のニュースを読んだ感想を書いてみる。
大隅先生のノーベル賞。
オートファジーってなんなのか?
小学生にもわかるように説明してくださいという質問が記者からされていたみたいです。非常に良い質問であると同時に,誰でもわかるような素晴らしい回答でした。
以下のリンクに全文が載っているみたいです。
リンク先から引用させていただきますが,体内でのタンパク質の存在についての知見のようですね。私も専門外なので詳細のコメントはできないですが,人類を作るプロセスを解明する手がかりにつながるような気が,読んでいてしました。
大隅 私はよくいくつか例を言うんですが。私たちは毎日タンパク質を70グラムとか80グラムぐらい食べています。それはタンパク質がいるんじゃなくて、タンパク質を分解して、アミノ酸というタンパク質の原料にしています。ただ、私たちの体では、いろんな人がいろんな計算してますけど、300グラムぐらいタンパク質が作られているということになります。そうすると、いったいそのアミノ酸ってどこからくるかといったら、私たちの体のなかのタンパク質が実は壊れてアミノ酸になっていて、それが再利用されているよ、ということを例によく言います。ですから、私たち生命は、その成り立ちから実は非常に大事なリサイクルのシステムがあってはじめて成り立つんだというふうに私は理解をしていて。その分解の部分というのが、実をいうと生命を支える1つ大事な要素だということ、と思っていただければいいと思います。もう1つ例をあげると、私たちよく海で遭難して、1週間なにも水だけで生きてられたって(聞きます)。その間、私たちの体はタンパク質合成を全部止めてるわけではまったくありませんで。そういう意味でも、私たちは実に巧妙に自分たちのタンパク質を分解しながら再利用していくというシステムなんだということで、自分自身のタンパク質を分解する……。例えば、タンパク質を食べて消化するのは細胞の外の現象ですから、細胞のなかでも自分たちのタンパク質を作っては壊し、作っては壊しということとして生命はあるんだということ。というのでおわかりいただければと思います。
科研費
インタビューで印象的だったのは,現代の日本の大学など研究機関の状況とそれに対する警告です。
国立大学が国立大学法人となり,運営交付金が減り続け,とにかく大学の先生が研究費をどこかからもらってこないと成り立たない。そんな状況です。
私は,学部時代某自動車メーカーがやっている大学にいました。そこでは,某自動車メーカーからの研究費が多くの割合を占めていました。その割には,研究内容に口出しはしてこない。
目先の利益にとらわれず,長い目で見守るということが研究には必要なのかもしれません。
もちろんそれは理学,サイエンスだから成り立つことなのかもしれませんが。私の専門は工学部の中にあるやつなので,どうしても人々の役に立つか,という視点に立たされます。これはこれで,研究の目的やマイルストーンを構築する上で重要な考え方でもありますが,全部が全部役に立つかと言われたらそういうわけでもないですからね。
研究は役に立たないといけないのか?
上にも書きましたが,大学で実施する基礎研究には,論文以外の成果や社会貢献を求めるべきなのか,難しい問題だと思います。
全てが全て,役に立たないのかと言われるとそうではありませんし,企業との共同研究などにももちろん意義は大いにあります。でも,
いつか役に立つ(かもね)
そんな考え方が許される研究機関であって欲しいなと個人的には思います。特に,教育機関としては,役に立つことが全てではないですし,魅力的な研究機関となることで日本以外からも研究者がやってきて,さらなる日本の発展にもつながる可能性も秘めてますし。
こんな記事を書くのも楽しいですね。
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